Destiny2 デスティニー2 まとめ Wiki

与えられないものは奪うしかない。

「ここの酒は最高だ！」タイタンが叫んだ。彼の隣にいたウォーロックが同意するように唸った。
アライトは陰に隠れたグリルの前で笑った。放棄されたサービターの中で酒を発酵させるのが彼の家の醸造方法であり、特徴のあるクセは錆びとエーテルからくるものだ。
「今のうちに楽しんでおこう。そのうち飲めなくなるかもしれないしな」ウォーロックが返事をした。
「心配するな！ 我々は必ずポータルの中への道を切り開く」飲み仲間が言った。
アライトはタイタンの声に聞き覚えがあったが、どこで聞いたかは思い出せなかった。そして料理人はその声のあまりに張りつめた響きに驚いた。
「中に入ったら、我々が目撃者の頭を引きちぎってやる。あのお高く留まったフェルウィンターにしたようにな！ 煙だろうが関係ない」
素手から炎を生み出せるこのタイタンは、幾度となく命を落とし、数えきれないほどの仲間を失ってきたはずだ。それなのに、彼の声からは押し殺した恐怖がはっきりと聞き取れた。
アライトは動揺していた。彼にとっては、どんな疑念を告白されるよりも、その偽りの虚勢のほうがよほど恐ろしかった。