Destiny2 デスティニー2 まとめ Wiki

「暗闇で物音がしたら、まず撃て」――センチュリオン・トゥクリン

「私はもう行かない」ゴルナックはそう言って、横たわるウォービーストに血まみれの肉塊を投げつけた。獣は嬉しそうに一口で肉塊をたいらげ、おかわりを待っている。ゴルナックはがっしりとした金属製のテーブルを囲む2人のカバルの仲間に目をやった。ひとりはゴルナックが深く尊敬する経験豊富なファランクスのウルルックス。もうひとりは、昨年ネッススのパトロールで加わった、痩せこけたレッドリージョンの脱走兵タルアンだ。
「ゴルナック、我々の祖先がリヴァイアサンに現れたというのは本当なのか？」ファランクスのウルルックスが尋ねる。
「人間やカバルのグラディエーターの形をしたさまざまな赤い煙を見た」とゴルナックは言う。「奴らは裏切者の声で我々に呼びかけ、アーマーの隙間にナイフを突き刺すかのように誘う。私も船の奥へと誘われたが、あれはおそらく私の名を奪い、記憶を破壊するのが目的だったに違いない」
「恐れをなしたのか？」タルアンが嘲笑する。
ゴルナックが痩せこけたリージョナリーに向かって叫ぶ。「私が臆病だと言うのか！」
「タルアンにカバルを臆病と呼ぶ資格などない。ハルファス・エレクタスの下の穴に潜んでいたくらいだからな」ウルルックスが唾を吐き、ゴルナックのほうへ振り返る。「共に立てば、カルスの恐怖を乗り越えることができる」
その時、宿舎の部屋に続くドアが開いた。
「そういうことではない。私は戻らない。命令であろうと、なかろうとな」ゴルナックが彼の目を見つめる。「お前も行くべきじゃない」
その時、翼の装飾が施されたアーマーを身に着けた巨体のカバル、トゥクリンが部屋に入ってきてヘルメットを脱いだ。「女帝は喜ばないだろうな」彼は怒鳴ってゴルナックと他の者たちの間に置かれた分厚い金属のテーブルにブロントキャノンを叩きつける。
「トゥクリン？ お前、いつの間にセンチュリオンに？」ゴルナックがそう尋ねながら、ウォービーストにやる肉をもっと切るためにブロントキャノンを横にずらした。
「前回の配置でな」
トゥクリンは彼の新たな部下たちが関心を抱いているのに気付いた。
「我々の指揮官が部隊より先行し、下腹部を偵察した。だが戻ってきた時には… 様変わりしていた」トゥクリンの目は、彼が目撃した光景のせいで光を失っていた。「彼女は高貴なカバルだったが、その夜に亡霊が彼女の心を攻撃した。奴らは彼女に偽りを吹き込み、彼女はこのキャノンを私たちに向けた」
兵士たちはその話について静かに考え込んだ。
トゥクリンが話を続ける。「だから私が始末した。そして私が指揮を執ることになった。私が戻る時には、お前にも戻ってもらう」