Destiny2 デスティニー2 まとめ Wiki

「身分を明らかにせよ。さもなくば破壊する」――クロビス・ブレイ1世

カドマス・リッジは嵐の勢力圏内に置かれていた。風に吹かれた氷晶が潰えた野心の露出した超構造体を隅々まで覆う。咆える目潰しが徐々に鋼鉄を蝕み、みぞれが虫の群れのように腐敗する骨組みの錆をついばむ。時を要する戦争。エントロピーのごとき不可欠性。

風の中の捕食者を探知したかのように、嵐が止む。その瞬間、静けさが辺りを包む。姿を隠したバンダルがその場に立ち、その迷彩のシルエットが静寂を壊す。

突如とした悪天候が天を割り、嵐とみぞれは針の雨を作り出し、バンダルを串刺しにする。魂の炎が裂け目を開き、ハイヴの巨大なトゥームシップ3隻を吐き出した。船団は脅威にさらされることなく、リース・リボーンの上でゆっくりと隊列を組んで浮遊する。

その船体からは黒色の炎が吐き出され、船の間で混ざり合う。そして炎は燃え盛り、尖った台座を投影し、ハウス・オブ・サルベーションの新たな故郷に影を落とす。

それはまるで夜のようで、遠くに光る太陽の明かりは空より締め出された。

声が雷鳴のごとく響き渡る。

『破滅の音を聞け。我を迎え入れよ。我が到来を祝い、我を知れ。この世界は常に我の物なり』

ブレイ・エクソサイエンス内にある生産拠点の奥深く。クロビス・ブレイ1世は悪魔じみた計算の中から目覚めた。保守調整用AIが緊急事態を発していたためだ。

「何事か」クロビスは詰問する。

抑揚を欠いた自身の声のコピーが答える。「正体不明の艦船がエウロパ領空域に進入。どのように対応しますか？」

「私の声を流せ。それから防衛システムを起動しろ」クロビスは命じた。

「了解しました。それでは発声をどうぞ」とAIが伝える。

「正体不明の艦船へ、こちらはクロビス・ブレイ。身分を明らかにせよ。さもなくば破壊する」

遠くから聞こえる雷鳴のような音が、同じ強さで答える…

「我は戦争なり」