Destiny2 デスティニー2 まとめ Wiki

永遠に続く戦争の兵士に捧ぐ。

デヴリム・ケイは、奥地のさらに隅にある薄汚れた作業台の前に座っていた。熟練の手つきでライフルを分解し、清掃作業を行っている。彼は心ここにあらずのようだが、指はまるでひとりでに動くかのようである。
このスナイパーライフルはミスラックス・ケルの娘、エイドとの会話を思い出させた。デヴリムはこの書記官について、知性的でかつ実直な魅力的な人物だと感じていた。二人は、エリクスニーと人類との間の平和の仲介役を担うというハウス・オブ・ライトのビジョンについて長々と話し合っていた。
その時は、彼女の若々しい楽観主義に説得されたのだった。それは彼の中の何かを長い眠りから呼び覚ました。トロストランドでの暴力的なその日暮らしを抜け出した人生を送れるのではないかという、将来へのビジョンを。その時はエリクスニーには明るい未来が待っているという確信があった。
だが今、冷静になって考えてみると、再びシニシズムがぶり返してくるのだった。ハウス・オブ・ライトが頼もしい味方だとはいえ、太陽系にいる他のエリクスニーたちがそれに倣うかどうかは疑問だった。結局のところ、平均的なバンダルは政治や倫理、哲学のために戦ったりはしない。彼らは領域の支配権を巡るゼロサムゲームをしていたのだ… デヴリムと同様に。
それに、彼は戦争以外のことを知らない。この紛争の中で、紛争によって育てられたのだ。戦争がなければ… 彼はいったい何者なのだ？
デヴリムはふと目線を下ろし、自分のライフルがすでに組み立てられているのを見て驚いた。気付かぬ間に作業を終えていたのだ。このように心の奥深くまで染みこんだ暴力に、誰が逆らえるというのだろう？
彼は首を振り、顔をしかめ、また作業を始めるのだった。