Destiny2 デスティニー2 まとめ Wiki

世界を燃やせ。全て燃やしてしまえ。

「買うのか？」店員が退屈そうに聞いた。
アリアドネーはその声には耳を貸さず、展示ケースを睨みつけている。「エノック、見てよこれ。これのどこがドラゴンなの？ 大目に見てもせいぜいサメよ。クラックスもサメ・ブレスって名前にするべきだったわ」
「サメ・ブレスだと迫力に欠けるだろう。まあ、水中にいるなら話は別だけど」エノックが言った。彼の傍ではマーカスがケースを調べている。
「まさにそのとおりよ！ 一方、私のドラゴンはちゃんとカッコいいんだって法律で決まってるからね」アリアドネーが彼女のスパローの側部に塗られた輝く紅のドラゴンを指差して言った。「比べものにもならないわ」
「比べることはできるかもしれないぞ」マーカスが言い、店員を見た。「これって試したりできるかな？」
アリアドネーが嬉しそうに目を輝かせた。
20分後、彼らは同意書のサインを終え、シティの郊外まで来ていた。エノックがロケットランチャーを肩に担ぐと、サメの笑顔がアリアドネーに向いた。
「あなたならできますよ」とディディ。ディディとエノックのゴーストは一行の頭上を漂いながら、録画の準備を進めていた。
「アリィ、5秒のハンデをやるから急いだほうがいいぞ」マーカスが言った。「よーい… ドン！」
エノックがカウントダウンし、ロケットランチャーを発射して下ろす中、アリアドネーのスパローが高速で走り去った。
「このレース、グリスが勝つと思うか？」エノックが尋ねた。上空では、明るく光るロケット弾が弧を描きながら彼女の方向に向かって飛んでいく。
マーカスがかがんで彼の肩を叩く。
「絶対に無理――」
ロケット弾がスパローに直撃し、着弾地点から火の玉が上がった。
「これこそエンターテインメントですね」ディディが満足げに言った。