Destiny2 デスティニー2 まとめ Wiki

征服された者に対する苦悩。

エナクタインはこれまでカバルが出会ってきた中でも、最も柔軟性の高い合金の1つだ。量子レベルで擬態する鉱物であり、サイオンのエネルギーに触れると特定の形に固定される。破壊されたり、溶かされたり、塵にされたりしても、元に物質に触れてその形状を呼び起こすことで、本来の形に戻ることができる。
儀式の剣、ハートシャドウは、その記憶が形成されて以来、数千年にわたって幾度となく元の形を取り戻してきた。
この剣に初めて触れたのは、母が死んで受け継いだ時だった。そして娘が生まれた時に、正統な所有者である娘の母親にそれを譲り渡した。そして、娘の母親が… いなくなった時、ワシはカイアトルにこの剣を受け継がせようとした。
しかしどういうわけか、あやつはしきたりを受け入れることを拒んだ。追放された後でも、この剣を差し出そうとしてきた。それも、そのたびに壊された状態で返される。仕事を任せた暗殺者の首を添えて。ワシはそのたびに、必ず娘に剣を返すのだと誓った。どんな手を使ってでも。
いつしか、このやりとりが唯一のコミュニケーション手段になっていた。いつからそうなったのかは覚えていない。忘れることにしたと言ったほうが正しい。思い出そうとすると目の奥が痛み、胸に短剣を突き刺されるような感覚になるからだ。だが過去は破壊できない。それはあらゆる苦い思い出の上に成り立っている。
世界が終わるまでそれは変わらない。