Destiny2 デスティニー2 まとめ Wiki

「最初からケルとして生まれてくる者などいない」―—ミスラックス

ハウス・オブ・ライトにはバロンも、アルコンも、他の権威ある地位にあるエリクスニーは存在しない。そこで、ミスラークスがいない間のケルの職務は、書記官エイドが務めることになった。
彼女は読書を断念することを余儀なくされた。供給ラインを管理し、エーテルの貯蔵を維持し、交渉をしなければならなかった。朝には幼子にエーテルを配り、午後にはスパイダーと取引をしなければならなかった。そしてその日の残りの時間は父の部下たち、彼女の部下たちの心配事を聞くことに費やしていた。
一人のエリクスニーを、エイドは出迎えた。デヴリムがEDZから送り込んだ民間人に混じって彼女のもとにやってきたのだ。彼は、今にも壊れてしまいそうなほど緊張して震えていた。ボッザ地区で他のエリクスニーに囲まれて一緒に座っていても、彼はずっと大いなる機械を上目遣いで見ていた。エイドには、感動しているのか、怖がっているのか判別できなかった。
「私はハウス・オブ・ライトのミスラークスケルである父の代理をしているの」彼女はその恐怖を和らげようと、二人が共有する言葉で優しく言った。「ハウスの書記官、エイドよ」
「エ、イ、ド」ドレッグは復唱した。アウォークンの名前が上手く言えるようになるまで、何度も発音した。「私はスリシクス。ハウスはない」
「スリシクス。あなたはとても勇敢なことをしたわ」彼女は彼に語りかける。「あなたのようにハウス・オブ・サルベーションから逃げてきた人はたくさんいる。ここで面倒を見てあげるから、安心して」
エイドは彼女らがシティに住むことになったいきさつを話した。迎え入れられ、守られていること、そして光の意思によって今の自分たちがあるということを。彼女が自身のハウスの話を終えると、スリシクスは2本の腕を上げ、頭を下げた。小刻みな体の震えは止まっていたが、声にはまだ震えがあった。
「ありがとう、エイドケル」
エイドは頭を下げた。喜びのあまり、小さな声を上げることを止めることはできなかった。