Destiny2 デスティニー2 まとめ Wiki

夢も歯も恐れる必要はない。

スコーンは闘士をよく見ようと闘技場の周りで互いを押し合っていた。闘士らはそんなことは気にも留めずに、鞘から抜かれた刃と不揃いな鋭いアーマーの破片で切りつけ合っていた。高まる狂乱の中では、彼らの剥がれた肉を気にするものは誰もいない。
闘技場では2人のレベナントが円を描くように対峙している。片方はへこんだ棍棒を地面に引きずり、土に溝を作っていた。もう片方はアウォークン製の錆びたグレイブを構えていた。
レベナントたちは相手の攻撃を防御する様子もなく、無作為に武器を振り回した。変化したばかりの彼らは、混乱しており、動きもぎこちない。彼らが確信していることは、目の前にある見覚えのある形を破壊しなければいけないということだけだった。
数秒の無秩序な攻撃の末、棍棒がグシャッという音と共にレベナントの顔の左側にめり込んだ。顔を失った闘士はやみくもに武器を突き出しながらよろよろと闘技場を彷徨っていたが、対戦者に足を棍棒で殴られ、地面に倒れ込んだ。
観戦者たちは歓声を上げて倒れたレベナントに襲い掛かり、その体を乱暴に突き刺し、肉片を引きちぎった。やがてその場所に残ったのは、肉塊と霧状の脂ぎったダークエーテルだけだった。
狂乱が収まると、要塞のどこかから流れてきた音が闘技場に鳴り響いた。それは明るく、流動的で、恐ろしい音だった。スコーンの動きが鈍り、そして止まった。中には、音を特定しようと左右に緩く揺れている者もいる。それは聞きなれた音のようで、今までに聞いたことのない音だった。
音が大きくなるにつれ、何人もの新参者のレベナントが呻き始めた。さえずるような音を出す者もいる。思い出しかけた何かに対する、深くて直感的な反応。それは、かつての彼らを呼び覚ますものだった。
やがて闘技場にいる者すべてが心を奪われてしまった。戦いは忘れられた。そして、観戦者たちが調和に揺れる中、棍棒を持った勝者は誰にも気づかれずに土の上に倒れ込み、死んだ。