Destiny2 デスティニー2 まとめ Wiki

「奪われたものを決して忘れるな」

証明されざる者、ケシクスは月の3周期に渡ってその小さな村を調査した。キャプテンがこの場所を襲うのは初めてのことではないが、普通は殺しや労働力を求めてやって来る。だが、彼が率いるバンダルの狙いは違った。
その村には光の戦士が住んでいた。仲間を数多く殺した悪魔だ。ケシクスの前任者であったキャプテンをも手にかけた。その悪魔に報復し、仲間の無念を晴らすことがケシクスの務めだ。そうハウス・オブ・デビルズから伝えられている。
しかし、ケシクスにとってこの悪魔の命は報復以上の価値があった。その命は栄光をもたらす。父イクリースがたった一度の戦いで光の戦士を倒し、その小さな武器を奪って神々しいエーテルを飲んで手にしたのと同じ栄光だ。もうすぐケシクスもその栄光を手にすることになる。もうすぐ己に相応しい地位を築き上げることができるのだ。
バンダルたちがケシクスの両側につき、期待を胸に秘めながら背の高い草の中を進んだ。草がなくなり、耕された土と丸太の壁のある場所へ来ると、一旦立ち止まり、ケシクスの指示を待った。ケシクスは宣戦布告のフレアを発射しなかった。光の戦士に計画を練る時間など与えはしない。
後衛部隊のドレッグが奇襲部隊に加わると、ケシクスはアークの槍に火を付け、夜の闇に掲げて合図した。攻撃せよ！
奇襲部隊は守りが手薄だと見込んでいたが、やがて激しい抵抗を受けた。キャプテンが防衛の指示を出している者を探し出すために村の中心部に向かって突入すると、戦闘中の悪魔を見つけた。ケシクスは大股で前進し、途中にいる挑戦的な人間の女を前腕でつかむと、燃え盛る木造の建物の中へと投げ込んだ。
「悪魔め！」ケシクスはエリクスニーの言葉で叫び、アークの槍を振りかざした。
だがその時、若い人間が挑むようにしてケシクスと悪魔の間に割り込み、剣を振り上げた。ケシクスはその“戦士”を品定めし、笑って下顎を鳴らすと、いとも簡単にその少年の曲がった刃物を払った。キャプテンが嘲って軽く押すと、その若い人間はバランスを崩す。ケシクスは獲物で遊ぶのを終え、槍の先をその人間に突き刺した。
ケシクスがその若者から顔を上げると、悪魔が歯をむいてうなった。彼の鋭い目と視線が合う。キャプテンは突進しようと槍を上げ…