Destiny2 デスティニー2 まとめ Wiki

ステージはお前のもの。

シャックス卿が、目の前の画面で見ているのは生中継のクルーシブル対戦であって、記録映像のループではない、というそぶりをやめるまで、実に7分もかかった。ようやく彼はうんざりした様子でため息をつき、胸元で腕を組んだ。
「フォージ」
「もし時間が取れそうなら、話がしたいと思ってな」サラディン卿は皮肉なユーモアをこめて言った。
シャックスはヘルメットを被った頭をサラディンの方へ向けた。
サラディンは視線を返した。「いいだろう。望んでいるわけではないが、話し合いが必要だ」サラディンは身構えた。「トワイライトギャップについてだ」
シャックスはサラディンに向き直り、両腕を脇腹に下ろすと、思いきり息を吸い込み、胸を膨らませた。
「適切な判断だった」サラディンは早口で言った。
シャックスのヘルメットの下から、くぐもった、咳き込むような音がした。
「それくらいはずっと分かっていた」サラディンの口元が不機嫌そうに歪んだ。彼はシティの地平線に視線を移し、郊外付近にある浸水したクレーターに興味を惹かれたふりをした。「たとえ私が認めようとしなかったとしてもだ」
「お前は私では見つけられない希望を見つけた。お前の反抗は大袈裟だと自分に言い聞かせてきたのだが」サラディンは無念そうに笑った。「私は諦めていた。だが、お前はファイアチームと共に我々に時間を与えてくれた。我々皆が変わるのに十分な時間を」
シャックスは微動だにせず立っていた。二人は長い沈黙の中、待ち続けた。
ようやくサラディンがため息をついた。「今までいろいろあったが… 私はお前の判断を信頼している。それだけは分かってくれ」
シャックスのヘルメットが少しだけ動いた。「終焉を前に？」
「次に何が起こるかわからぬうちにだ」
シャックスはゆっくりと頷いた。
「この瞬間のために、とんでもなく辛辣なコメントをたくさん用意していたんだが」
サラディンが笑みを浮かべた。「きっとそうだろうな」