Destiny2 デスティニー2 まとめ Wiki

「あなたが何と言おうと、私は傍を離れません」

タージが空を見上げると、トラベラーの周りで星が渦巻いていた。鋭い松の木が空へと伸びていたが、それでも星は遠く、触れることはできない。少なくとも松の木には触れることができる。彼はため息をついたが、それは彼が呼吸を必要としているからではなく、彼のガーディアンが使ってきた感情表現だったからだ。時として、大切な人の癖というものは松の樹液のように自分にも引っ付くことがある。それは木から無防備なシェルの上落ちてくるのだ… 樹液には埃がくっつき、きれいに落とすのは不可能のように思える。そして、いつになってもネバネバしている。
彼は小屋からくぐもった声を聞いた。
タージの意識が再び銃に向けられた。その瞬間が永遠に引き延ばされていく。彼はすべてを犠牲にしてでもザヴァラの求めているものを与えたかった。あの子が再び生きられるのなら、何千発もの銃弾を浴び、喜んで死んだことだろう。
「なぜです？」彼はトラベラーを見上げて言った。「ルールを決めるのはあなたです。私は彼のためにここにいる。彼のためなら何でもします。なぜ私に力を与えてくれないのですか」
相変わらず返事は返ってこない。
***
いくつもの生涯が過ぎ去り、タージは空を見上げていた。星ではない星が渦巻き、雲ではない雲があった。何かが足りない。彼はトラベラーの中にある作り物の空でもトラベラーが佇んでいるのを想像して笑いそうになった。その空は間違っているように思えた。
彼は背後で悲しそうな、だが希望に満ちた声が勝利や苦悩を分かち合う中で、焚火がパチパチと音を立てるのを聞いた。トラベラーの中で実在するものがあるとするなら、それは焚火そのものよりも温かい言葉に込められた優しい愛の絆、永遠の切望、そして確固たる忠誠心だった。
彼はため息をついた。この場所の木もまた、樹液を落とすのだった。