Destiny2 デスティニー2 まとめ Wiki

ガーディアンは正しい行動を定めるために、油断のない目を持っていなくてはならない。

「仲間をこっそり見張れってことか？」放浪者が返事した。「俺は悪党かもしれんが、告げ口は絶対にしない」
彼は後ろにもたれかかって腕を組み、冷たくなった餃子定食の食べ残しの向こう側にいるチャルコに視線を送った。
チャルコは呆れた顔をするのを我慢した。莫大な被害をもたらしたわりには、放浪者の自尊心は驚くほど脆かった。彼女はこのならず者の光の戦士を繊細に扱わなければいけなかった。
「彼女たちのことを気にかけてほしいの」潜みし者が言った。「スロアンが人一倍タフであることは認めるけど、半分宿られた人間など前例がない。長期的にどんな影響があるかもわからない」
「エリスに関しては…」チャルコは続きを言わなかった。放浪者もすでに彼女の蓄積されたトラウマがもたらすかもしれない結果を計算しているはずだ。
「見守るに決まってるだろ」放浪者が不満げに言った。「だが、お前が求めてるのは見守ることじゃないだろ？」
「私に報告してほしいだけのこと」チャルコが答えた。「ふたりとも助けを求めるのが苦手だから。手遅れになった後に、私たちにできることがあったのだと気づくことだけは避けたい」
チャルコは茶をすすり、心配という名の仮面を被ったまま狡猾に彼らの社会関係を計算した。潜みし者の一員である彼女なら、ひとりでエリスとスロアンを監視することなど容易い。だが、不安要素である放浪者は悪い状況を意図せずにさらに悪化させる可能性がある。彼には大人しくしてもらわなければならない。
「とにかく… 私たちにできることがあったら言ってほしい。やってもらえる？」チャルコが聞いた。
放浪者がブツブツと何かを不満げに言った。認めたくはなかったが、安全策があっても損はない。
「わかった」彼は諦めたように言った。「何かあったらお前に報告する。だが条件が2つある。1つ目は、俺たちの邪魔をしないことだ」
「2つ目は？」チャルコが催促した。
放浪者は立ち上がり、最後の2つの餃子をチュニックのポケットに押し込んだ。
「昼飯は奢ってもらう」