Destiny2 デスティニー2 まとめ Wiki

「レッドリージョンは再び立ち上がる」――カイアトル

カイアトルは作戦指令室に立っていた。
彼女の愛する帝国には今や、破綻の臭いが漂っていた。強い臭いだ。若い頃、彼女は父親の動物園で餌やりの光景をよく目にしたものだった。トロバトルの外からやってきた生き物たちは怪我を負い、立派な囲いの中に残されている。血の匂いはより大きく一層飢えた生き物をおびき寄せる。そのことを彼女は知っていた。策を取らねば、この帝国にも同じことが起こるだろう。
そんなことはさせない。
父と同じ過ちは犯さない。自身の悪徳で道を誤り、軽薄な言動と快楽主義的思想によって堕落した。皇帝の器ではなかったのだ。彼は無力だった。だが、ガウルもまた己の弱さによって身を滅ぼした。機械神への執着は愚かだった。彼の愚行を思い出すと恥辱すら感じる。
彼女には鮮明な想像力がある。皮肉なことに、それは父親のおかげだった。あらゆる物語や歌、うんざりするような戯曲まで学ばされた。だがそういった思考の武器を今後は、新たな目標、つまり民にとってのより良い未来を想像することに利用するのだ。再び銀河を支配し、外国船が燃え、敵国が跪く未来。これまでとは異なる未来の姿だ。
未来は彼女の手の中にある。