Destiny2 デスティニー2 まとめ Wiki

「自分の責務は理解している」――龍チャルコからイコラ・レイへの言葉

イコラはクロークが床に滑り落ちる濡れた音にも、彼女の傍にある椅子が引きずられる音にも反応しなかった。
チャルコが彼女の隣にある机にブーツを乗せると、イコラは正確にデータパッドを6センチだけ左に動かした。彼女はバンガードの勤務表をタップして開いた。未確認のページがまた1ページ増え、今もメッセージが次々となだれ込んできている。
チャルコが大きなため息をついた。「彼を見失った」
イコラが右を見た。「見失った？」
「どれだけすばしっこいかわかってるつもりでも、それよりもすばしっこいことをしてくる。まあ、だから彼が役に立つと思ったわけだけど」
イコラはついに振り向き、画面を下にしてデータパッドを置いた。彼女はストラップの先にベストをぶら下げた、疲れ切って泥だらけのチャルコを受け入れた。
「あなたに伝えておこうと思ったことがあるのに、幸先が悪いわね。でも仕方がないから許すわ」とイコラ。
「今夜また任務に出すんだったら辞めるからね。それでもう二度とイコラと話さない」
「そんなことをする度胸もないくせに」イコラは優しく言った。彼女は両手を膝の上に置いた。「ザヴァラの仕事を手伝うことにしたの。フルタイムの仕事になると聞いているわ。つまり、潜みし者を誰かに任せる必要がある」
チャルコが慌てて起き上がると、彼女のブーツのかかとが机の上に引きずられて大きな音を立てた。
「本気？」彼女は聞いた。「いや、当然本気か。困るよ、イコラ。現地任務を任されるようになったと思ったら、今度は呪いまで私に引き継ぐつもり？」
「やってくれる？」
「もちろんやる。別の誰かに聞いていたら、私がどれだけ怒り狂うかわかる？」
イコラが手を差し出すと、チャルコがそれを掴んだ。濡れたフィールドウィーブがイコラの手のひらにチクチクと刺さったが、彼女はさらに強く握りしめた。
「あなたが自慢に思えるリーダーになりたい」とチャルコ。
「もう自慢に思っているわ」とイコラ。