Destiny2 デスティニー2 まとめ Wiki

「最新技術の大半は、我々に対して使用された他種族の技術を元にしている。恩返ししてやらないとな」――サラディン卿

カバルの選士イグノヴンは、名誉に預かることを何よりも重要視していた。女帝カイアトルの声明後、ランドタンクに乗っていた全リージョナリーが、彼の昇進をうらやみながら敬意を払うことになった。それは終身の任命だった。
ハルファス・エレクタスの奥深くで、イグノヴンはアリーナの準備状況を確認していた。そこにはカイアトルのバナーが掲げられ、彼の武器の塗油式や、帝国の神話伝承者による選士の連祷の詠唱が行なわれた。彼は光に照らされて輝く新たなアーマーに身を包んでいた。彼は儀式のしきたりを心得ており、自らに勝利が求められていることを理解していた。
ところが今、アリーナに一人でいるイグノヴンは、自分の考えに自信が持てなくなってきていた。ガウルは小さき者たちの強みはその光だと信じていた。彼はトラベラーの力を、武器と同じように、奪い取ってそれを敵に活用できると考えていた。明らかに、彼は間違っていた。
イグノヴンは異なる考えを持っていた。彼らの力は光からではなく、死からもたらされている。ガーディアンは歩く屍となってなお、戦い続けている。彼らは何千回と死んでいるが、イグノヴンはまだ一度も死んでいない。死すらも超越する敵を倒すことなどできるのだろうか？
先見者イクセルの支離滅裂な考えが突然、そこまで理屈に反していないように思えてきた。カバルが小さき者たちに勝つには、ガウルの失敗を繰り返してはならない。バンガードに終わりのある死を与える必要がある。
イグノヴンはいくら考えたところで自分の助けにはならないことを理解していた。だが彼は恐れなかった。小さき者たちが死に立ち向かえるのであれば、彼にも同じことができるはずだ。