Destiny2 デスティニー2 まとめ Wiki

無条件に果てしない。

レベッカが永遠に生きると心に決めたのは、人生で初めて恋に落ちた時だった。
8歳だった彼女は馬について知ったばかりだった。彼女はそのような生き物を今まで見たことがなかった。筋肉と光沢のある皮、そして曲線を描く首筋にかかった長いたてがみ。彼女は馬に乗るにはまだ幼すぎると言われ、自分がまだ適切な年齢ではないことにこの上ない苛立ちを覚えた。そして彼女は、幼すぎて馬に乗れないのなら、年老いすぎても乗れないのかもしれないということを悟った。彼女は心配することを学んだばかりだったが、それでも心配せずにはいられなかった。
どうすれば永遠に生きることができる？
レベッカが永遠に生きると再び心に決めたのは、人生で2度目に恋に落ちた時だった。16歳、とある本がこの世にひとつだけの物語を紡ぎだし、その光り輝く言葉は彼女の精神を虜にし、心に高揚させた。このような物語を生み出すのにどれだけの時間がかかったのだろう？ どれだけの時間があれば10の物語、100の物語を生み出すことができるだろう？ どれだけ時間があっても、人の心に秘められた愛情のすべてを注ぎ込むことはできないはずだ。
彼女はその後も幾度となく恋に落ちた。恋に落ちずにはいられなかった。彼女はひとつのことだけに専念するには、切望する思いが強すぎた。彼女はカササギのように愛を集めた。煌めく喜びをひとつ残らず欲しがった。貝や磁石、庭やペニシリン、レースや量子計算の回路が奏でる歌。
星の粉。
レベッカは宇宙の中心を見つめ、ただ限りなくそれを愛することしかできなかった。その愛に比べれば、彼女は砂粒のようなものだったが、その愛が彼女と彼女が愛するすべてをつくったのだった。彼女は愛されることを求めていなかった。彼女が求めたものはただひとつ、時間が経てば彼女の前に顕現する理解だけだった。
だが、時間はどれだけあっても足りない。
時間を見つけた時、彼女は何十年も年を取り、故郷から遠く離れた世界にいた。彼女が星を渡って学びに来た時間は、キラキラと光るクモの巣のような数学に隠され、物理法則は彼女の存在の力によって歪められた。それは自分自身の本当の愛を理解するための黒い鏡だった。
彼女は紡錘でそれを星の光のように巻き取り、自分を平衡錘にして上っていった。捻じれは手から錘に、身体から暗黒物質に動いた。
レベッカはこの宇宙がほどけてしまい、理解するものが何もなくなり、彼女の脳の湿った組織と心臓の赤い脈動の隙間が埋めつくされまで宇宙を愛し続けるのだった。何よりも深く理解することこそが最高の愛だった。