光がトラベラーを起源とする物理領域の因果超越エネルギーであるように、暗黒はベイルを起源とする精神の領域で働く因果超越エネルギーである。 いずれも因果超越エネルギーであり、それ自体に善悪や正邪は存在しない。
光(The Light)は物質や生物に働きかけるエネルギーであり、トラベラーを根源として、ソーラー(破壊と創造)・アーク(変化)・ボイド(存在や空間)として発現するのに対し、 暗黒は精神に働きかけるエネルギーであり、ベイルを根源として、ステイシス(制御)、ストランド(繋がり)、ナイトメアやディープサイト(記憶)として発現する。
大崩壊からごく最近まで暗黒と深淵は区別されず、暗黒としてひと括りにされてきた。
実際には異なる。 深淵(The Deep)はトラベラーの敵対者目撃者であり明確に邪悪な意思を持つ(深淵の詳細は目撃者参照)。 それに対して、暗黒(The Darkness)はただの因果超越エネルギーである。 光の加護を受けたからと言って使い手が必ずしも聖人ではないように、暗黒を受け入れたからと言って必ずしも使い手が悪人になるわけではない。 ナインの言葉を借りれば、光も暗黒も等しく生き残るために利用できる「道具」であり、使い方次第で善にも悪にもなれると言える。
大崩壊は暗黒のエネルギーを扱うピラミッドによって引き起こされ、暗黒時代には暗黒のエネルギーを操る異星人によって人類は苦しめられたため、暗黒が邪悪であると言う理解が広まった。 実際に、ハイヴ、宿られた兵、スコーン、ナイトメアなど、深淵側は主として暗黒の力を振るうため区別が難しいだろう。 しかも預言者は長年「トラベラーと光は人類を守る善、暗黒は邪悪」と言う教えをシティに広め、暗黒研究を妨害した(光と暗黒の対称性を説いたウランタン派や暗黒研究をしたオシリスを追放した)。 結果として人類は暗黒の正体を長年把握出来ず、「暗黒」は遥か古の時代からトラベラーと敵対してきた宿敵=邪悪な存在であると理解し、フォールン、ハイヴ、ベックス、もしくはピラミッドが暗黒その物だと考える一派すらいた。 この状態は近年まで続いていたため、古い記述における「暗黒」は深淵と暗黒、両方を混同している場合がある。
近年になり預言者の死、ナインからの接触、目撃者の太陽系到達、ベイルの発見により、暗黒(The Darkness)と深淵(The Deep)は明確に区別されるようになった。 マラ・ソヴ女王はアウォークンの操る異能が暗黒・光両方に根差していることもあり、早期から「邪悪な意思」「暗黒に潜む声」として深淵の存在を認識し秘密裏に敵対していた。 またナインは「光も暗黒も生き残るための手段だ」と考える放浪者にデリレクトを与えてガーディアン達が暗黒を道具として利用するよう差し向けたり、 主人公、エリス・モーン、放浪者に予言や天誅を与え光も暗黒もただの道具であることを指し示した。
暗黒は邪悪な意思を引き出す悪しき存在と言う捉え方はある面では正しく、ある面では正しくない。
光の力は抑制の効いており、使役者の意志通りに制御することが容易い。 しかし、ステイシスは自他を制御する力であり強い意志で制御しなければ暴走を招き、ストランドは制御を手放すことで扱える力である故に無理に制御すると死につながるほどの大きな反動を生じる。 光のケル、ミスラックスも若い頃には「ネザレクの聖櫃」に魅入られ蛮行を繰り返していた。 この点から、暗黒は抑制の欠けた力であるため強い意思なしでは邪悪に堕ちる危険を伴う。
トラベラーと対をなす存在、ベイル(The Veil)が暗黒の起源である。 ベイルとトラベラーはともに宇宙創造「庭師と農家のゲーム」を行った存在であり、庭師は光を操るトラベラー、農家(The Winnower、別名:選別者)は暗黒を操るベイルである。
目撃者はベイルを発見して暗黒を利用してきた。 大崩壊時に最後の苦痛の神、ネザレクが持っていたベイルをサバスンが奪い海王星に隠した。 現在ベイルはネオムナのクラウドアークを動かすための電池である。
深淵は最終形態を求め、暗黒は最終形態に導く力を有している。
農家(The Winnower)は「選別者」とも呼ばれており(翻訳のブレなのか、意図的な翻訳なのかは不明、winnowは本来「ふるいにかける」という意味合いの単語である)、 光が生命や物理法則すら自在に操り混沌をもたらすのに対して、暗黒は「混沌を削り取る力」と言う側面がある。 これにより、滅ぼすことのできる全てが滅んだ時に残る存在、「最後の形状」「最終形態」(Final Shape)を誕生させる事ができる。
深淵(目撃者)は最終形態へと導こうとしている。それは、宇宙に意味を持たせるため、目撃者自身の存在意義、そして宇宙の救済だと考えている。
一方で、ベイルが最終形態を望んでいるとは明示されていない。 初期の「農家と庭師のゲーム」は単純なルールの下でベックスが常に最終形態として生き残っていた。トラベラーはこれに不満があり、ベイルはこれを美しいと考えていた。 それを覆すためトラベラーは宇宙を再創造しルールを書き換え複雑にし続け、単純さを望むベイルと喧嘩した挙句に宇宙に自らを直接組み込んだ(詳細はベックスの起源も参照)。 この経緯からベイル自身が最終形態を望んでいる可能性は高い。
ベールに包まれた女性のような像。暗黒に関連する場面で幾度となく出くわしてきた。 深淵か暗黒の何れかに関係していると思われるが、詳細は現時点では不明。
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