Destiny2 デスティニー2 まとめ Wiki

光を消して走れ。

彼女は臭気の跡を頼りに、玉座の世界を駆け回り、そのオーガを追跡していた。いまやオーガはひび割れた翡翠の柱に向かって倒れこみ、喘いでいた。その姿は蛾の大群に覆われ、ほとんど見えなくなっている。

彼女が近づくと、蛾たちは激しく後翅を翻しながら警告を発し、オーガの周囲には輝く鮮烈な色の波紋が広がった。彼女は露出した顔にフードをしっかりと被った。この状況では迅速に行動する必要がある。

彼女が地面にいる蛾たちを注意深く跨ぐと、蛾たちは身を震わせた。振動する翅が首元を打つ中、彼女は鱗粉が舞い散る空気を吸い込み、ざわめく蛾の群れの中に肩まで腕を突っ込んだ。彼女がやみくもに手探りすると、ついに指がオーガのしなびた皮膚に触れ、それはまるで古びた革のようにへこんだ。

彼女は短剣を素早く、そして正確に振るった。オーガは一度だけ痙攣して息絶えた。彼女が刃を抜くと、蛾たちはくぐもった音を立てて慌ただしく飛び立つ。それは千の花びらがそよ風に運ばれているかのようだった。

そして蛾たちは、彼女のクローク、肩、髪に止まり、覆いつくした。彼女がウィッチ・クイーンのスパイアから盗んだ呪文を囁く中、蛾たちの鱗粉に覆われた体が彼女の唇をかすめる。彼女は短剣で宙にハイヴルーンの輪郭をなぞり、手の甲に刃先を当てた。

蛾たちは身動きを止めて静まり返り、両櫛歯状の触角を震わせながら、申し出を検討した。

宿主ではなく、住処という申し出を。