運命は死で紡がれている。
恐竜。 ネアンデルタール人。 ローマ帝国。 エイブラハム・リンカーン。 ソビエト社会主義共和国連邦。 アメリカ合衆国。 大統領。 ダンスホール。 フットボール。 レコード店。 ゲーム番組。 僕の家族。全員集合。 兄のベン。 義理の姉のフェルナンダ。 姪のベティ。 甥のフィリップとベニート。 英語を教えてくれた母。 ドイツ語を教えてくれたオパとオマ。 スペイン語を教えてくれた父。 みんないなくなった。みんなの名を知るのはもう僕しかいない。 他の人たちのことも覚えておかないと。できる限り多くの人たちを。 僕だけがみんなを記憶にとどめておくことができる。 フットボール練習の後、野外席でポーランド語を教えてくれたテレサ。 僕がなぜポーランド語とフランス語を混同していたのか両親に聞いた、高校のフランス語の先生。 新兵訓練のみんな。 基地のみんな。 フランキー、エンゾ、ミカエル、ウォルター。 僕らが上空から見下ろした人たち。 フランキーが当て損ねた人たち。 僕に新たな人生を与えてくれた上級軍曹グラント。 電話回線をもう少し慎重に確認すべきだった、意図せずにロシア語をわかりやすく教えてくれたモスクワの人たち。 クリスマスにいつもタマレスを持ってきてくれた3階のロドリゲスさん。 フェリーニ。 ワトソン。ジンジャー。 …ヒュパティア。 レ・ディアブルレ事件の被害者たち。 親の税手続きを手伝ったお礼に、あのイカしたカンボジアのサイケデリック音楽のアルバムをくれた近所の青年。 ミラドールのラテンナイトで踊りながら僕に電話番号を教えてくれた黄色い服を着た女性。 (今でもズボンのポケットに入ったままだ。彼女の名前はロザリオ… Cosas así, sólo me pasan a mí…) 何百もの都市。 何千もの言語。 何百万種もの生物。 何十億もの人命。
ベン。 ベン。
「運命の境界」で登場したハンターのエキゾチック・チェストアーマー。
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